放送作家の文章術⑤その文章は何のために書くのか?

放送作家の文章術⑤その文章は何のために書くのか?

「誰に向けて書くか」を決めたら、次は「なんのために」書くのか、その目的について考えましょう。

目的とは、伝えることの先にあるもの、伝えることで目指すものです。

企画書であれば、あなたのアイデアを披露するために書くわけではありません。目的は「企画を通すこと」です。

ブログであれば、あなたの日常を伝えることではなく、ファンになってもらうことが目的です。

ラブレターであれば、「想いを伝えること」でなく、「好意を持ってもらうこと」、あるいは「付き合ってもらうこと」が目的のはずです。

「相手と情報を分かち合うため」書くのか、「相手に納得してもらい行動してもらうため」に書くのか、「自分の意見に共感してもらうため」に書くのか。

目的を明確にしておけば、内容が脱線することなく、まとまりのある文章となり、相手にも「なにがいいたいのか」が、伝わりやすい文章になります。

目的次第で「盛り込むべき情報」は変わりますし、「どういう切り口で書くか」、「どう展開してまとめるか」でも変わってきます。

つまり、先に紹介した「何を」「誰に」と併せて、「何を・誰に・のために」書くかで文章は決まるのです。

「どう書き出すか」、「どんな表現で書くか」といった、「どう書くか」は、そのあとで考えます。

「何を」「誰に」「何のために」書くか、それぞれを明確にしておけば、「どう書くか」はおのずと決まります。

まずは「何を」「誰に」「何のために」書くかを、しっかり考えましょう。