放送作家の文章術⑧「仮説」を立てれば材料集めも早い!
- 2020.03.08
- 放送作家の文章術
テーマを決めて、インターネットでざっくりと全体像を把握したら、次に「誰に・何のために」書くかを明確にしたうえで、材料を集めます。
具体的に「ラーメンはなぜ国民食になったのか?」をテーマに、材料を集めた場合のケーススタディを見てみましょう。
この場合のテーマ、つまり問いは「ラーメンが国民食になった理由とは?」です。
「誰に」、つまりターゲットは仮に「蕎麦は好きだけど、油ぎとぎとのラーメンは好きではない25歳のOL」としてみましょう。
そして「何のために」、つまり目的は、蕎麦好きだけどラーメンは苦手な25歳のOLに「ラーメンの魅力を知ってもらう」こととしてみます。
▶材料集めのケーススタディ
・テーマ「ラーメンはなぜ国民食になったのか?」
・誰に「蕎麦は好きだがラーメンは好きではない25歳のOL」
・何のために「ラーメンの魅力を知ってもらうために」
この場合も、まずインターネットで「あたり」をとります。たとえば「ラーメン」「なぜ国民食」といったワードを並べて検索してみるのです。
それだけで25万件以上の記事が、ヒットします。
その中からターゲットの「蕎麦好きな25歳OL」に「ラーメンの魅力」を伝えるために、ふさわしい材料を探せばよいのです。
今回、試してみたところ「ラーメンの魅力はやはりスープ」「スープの魅力は〝昆布だし〟と〝油〟の融合にある」といった記事にすぐに行き当たりました。
考えてみれば「25歳OL」の好きな蕎麦のメニューの中にも、天ぷら蕎麦や鴨南蛮、たぬき蕎麦があるように〝昆布だし〟と〝油〟のハーモニーが、美味しさの秘密となっているものが少なくありません。
そこまで「あたり」がとれたら「仮説」を立ててみましょう。
この場合なら「もしかしてラーメンの人気は、日本伝統の蕎麦文化がベースとなっているのではないか」といった仮説です。
この仮説ならば、ターゲットである「蕎麦好きなOL」に「ラーメンの魅力を伝える」目的を果たせる文章になるはずです。
そうして仮説を立てた上で、今度はその仮説を裏付けるような材料を深掘りしていくわけです。
このように「何を・誰に・何のために」を明確にしておけば、「情報洪水」「情報爆発」といわれる時代でも、迷わず材料集めができるのです。
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