放送作家の文章術⑩材料は「使い道」ごとにまとめる
- 2020.03.10
- 放送作家の文章術
集めた材料は、テーマをどう支えるか、そのための「使い道」ごとにまとめます。
たとえば、「豚肉・酢・タマネギ・醤油・にんじん・ベーコン・ジャガイモ・牛肉・大根・味噌・レタス・カレー粉・里芋」などの食材があるとします。
その場合、最初に思いつくのは「肉(豚肉・牛肉・ベーコン)」「野菜(タマネギ・にんじん・ジャガイモ・レタス)」「調味料(酢・醤油・味噌・カレー粉)」といったジャンル別の整理でしょう。
そうではなく、仮説に従って「使い道」ごとに整理してみましょう。このケースの仮説は「この材料があれば、〝カレー〟〝豚汁〟〝サラダ〟ができるのではないか」です。
ですからカレー用に「牛肉・タマネギ・にんじん・ジャガイモ・カレー粉」をグルーピングし、豚汁用に「豚肉・にんじん・大根・里芋・味噌」を、サラダ用に「ベーコン・レタス・酢」をまとめることになります。
「ラーメンはなぜ国民食になったのか?」を、蕎麦は好きだけどラーメンは苦手な「25歳OL」に「ラーメンの魅力を知ってもらうため」に書く場合も、仮説から導いた「使い道」ごとに材料を整理します。
この場合の仮説は「もしかしてラーメンは、日本伝統の蕎麦文化がベースとなっているのではないか」でした。
この仮説を元に、材料を集めたところ・・・
・蕎麦のメニュー別人気ランキング
→1位「ざる」2位「天ぷら」3位「たぬき」
・蕎麦つゆのだしに使われる主な食材
・醤油ラーメンのスープに使われる主な食材
・味噌ラーメンのスープに使われる主な食材
・ラーメンのどこが好きかを聞いたアンケート調査
→多くの人が「スープである」と回答している
~のような材料が集まったとします。
そうしたら次に、これらの材料の「使い道」を考えます。
今回は仮に「ラーメンの魅力」「ラーメンのスープの秘密」「蕎麦汁との共通点」、この三つの「使い道」を器にして、これらの材料を入れていって見ます。すると・・・・・・
▶ラーメンの魅力
・ラーメンのどこが好きかを聞いたアンケート調査
→多くの人が「スープである」と回答している
▶ラーメンのスープの秘密
・醤油ラーメンのスープに使われる主な食材
・味噌ラーメンのスープに使われる主な食材
→ふたつに共通する食材は「昆布」と「鳥・豚などの油」
▶蕎麦つゆとの共通点
・蕎麦つゆのだしに使われる主な食材
→「昆布」は使うが「鳥・豚などの骨」は使用しない
・蕎麦のメニュー別人気ランキング
→1位「ざる」2位「天ぷら」3位「たぬき」
→「天ぷら蕎麦」「たぬき蕎麦」など油との相性はよい
~などと整理できます。
「何を・誰に・何のために」を明確にしたうえで「仮説」を作り、それに従って「使い道」ごとに材料を整理すれば、大きな流れまでできてしまいます。
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