放送作家の文章術⑬アウトラインを書いて、より細かな構成を作る

放送作家の文章術⑬アウトラインを書いて、より細かな構成を作る

箱書きでざっくりした流れを作ったら、アウトラインで階層化していきます。

ビジネス書の目次をイメージしてみてください。

「1章、2章…」といった、大見出し、「章」の下に「節」と呼ばれる 「中見出し」、「節」の下には「項」と呼ばれる「小見出し」が、階層化されていまます。

このように「大見出し・中見出し・小見出し」などの「階層」にわけて整理するのが、アウトライン作りと考えてください。

このアウトラインを最初に作り上げることが、長文の文章を早く書き上げるためのポイントです。

アウトラインはいわば設計図。設計図さえ完成させれば、あとは、見出しにあった材料を、それぞれに配置していくだけです。

この設計図作りに役立つのが、ワープロソフトの「アウトライン」機能です。

アウトラインは、項目を階層として表すことができる機能です。

例えばWordでは、見出しを9つの階層に分けることができます。

ですが学術論文でもない限り「大見出し」「中見出し」「小見出し」の3階層で十分、全体の組み立てができます。

また「Work Flowy」といった、クラウドサービスのアウトライナーも使いやすいので、オススメです(私はこの本のアウトラインを「WorkFlowy」で作りました)。

アウトライン機能では、見出しの入れ替えや、階層の変更も簡単です。ですから、全体の組み立ての練り直しも容易にできます。 

頭の中にあるアイデアを、具体的な形で整理していけるのでおすすめです。

アウトラインを書いてみると、全体がスムーズに流れているかどうか、抜け落ちている要素はないか、重複している要素はないかなどが確認できます。

書き進めるうえにおいても、ガイドマップとなるため、次に何を書けば良いのか、迷うことがありません。

私は以前、パソコンのアウトライナーではなく、ノートに付箋を貼って、アウトラインを作っていました。

アナログではありますが、やってみると「なんだか楽しい」ので、こちらもおすすめです。

付箋を使う場合も、階層をずらして大きめのノートに貼り付けていくだけです。 階層ごとに色の違う付箋を使えば、よりわかりやすくなります 。

ただしアウトラインは、あくまでガイドマップ。アウトライン通りに書かなければならないわけではありません。

文章を書いていると思考の回路が開かれ、当初の予定よりも魅力的なルートが、見つかったりします。

そのほうが面白くなるなら、途中でルート変更して構いません。

その際も、どのようにルート変更するのか、アウトラインを書き直して確認しましょう。

アウトライナーや付箋を使えば、書き直しや項目の移動も簡単です。