放送作家の文章術⑰本論を「PREP法」で並べる
- 2020.03.17
- 放送作家の文章術
論理的な本論を書くとき、便利なフレームが「PREP法」です。
「PREP」とは、文章の4つの構成要素の頭文字を並べたものです。
「P」は「結論(point)」、「R」は「理由(reason)」、「E」は「具体例(example)、または根拠(evidence)」、最後の「P」は、ふたたび「要点(point)」です。
フレームにするとこうなります。
P=結論 ⇒ R=理由 ⇒ E=具体例・根拠 ⇒ P=まとめ
序論で「ラーメンはなぜ、国民食となったのか?」との問いを立てたとすれば、この場合、「日本人は本来、麺が好きなのである」といった「結論」を書ききます。
次に「なぜなら、世界でもこれほど麺好きな国民はいないからだ」といった「理由」を述べます。
続けて、他国との比較などの「具体例、あるいは根拠」を示して、最後に再び要点を述べて「まとめ」ます。
テーマ「ラーメンはなぜ、国民食となったのか?」
・結論(point)・・・・・・日本人は本来、麺が好きな国民だから
・理由(reason)・・・・・・世界にこれほど麺好きな国民はない
・根拠(evidence)・・・・・・主要国との比較データ
・結論(point)・・・・・・やはり日本人は麺が好きな国民だ。
「PREP法」のフレームを使うと、同じ内容でも、文章が論理的となり、説得力が増します。
なぜなら読み手の気持ちに呼応する構成だからです。
結論を最初に述べることで「なるほど、そういう主張か」と読み手は概要を理解し、理解する準備ができます。
次に読み手は「なぜ、そう主張するのか?」と疑問を抱きますので、すかさず「理由」を書いて、その疑問に答えるのです。
ざっくりした理由だけでは、まだ読み手は納得していないので、続けて「具体例、あるいは根拠」を示すことで、相手に「なるほど」と思ってもらえます。
最後は、冒頭に述べた結論を、より強調しながら「まとめ」、印象付けます。
相手の気持ちを動かしたり、行動を促したりするときに効果的な「PREP法」。
ですからこれはプライベートで、異性をデートに誘うメールを送るときなどにも、強力な武器となるかもしれません。
「今度、一緒にランチに行かない?(結論)」
「とてもピザが美味しい店を見つけたんだ(理由)」
「特にマルゲリータが絶品らしい(具体例)」
「一緒に行ってくれると嬉しいな(まとめ)」
いかがでしょうか、もっとも断られても責任は持てませんが。
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