放送作家の文章術⑰本論を「PREP法」で並べる

放送作家の文章術⑰本論を「PREP法」で並べる

論理的な本論を書くとき、便利なフレームが「PREP法」です。

「PREP」とは、文章の4つの構成要素の頭文字を並べたものです。

「P」は「結論(point)」、「R」は「理由(reason)」、「E」は「具体例(example)、または根拠(evidence)」、最後の「P」は、ふたたび「要点(point)」です。

フレームにするとこうなります。

P=結論 ⇒ R=理由 ⇒ E=具体例・根拠 ⇒ P=まとめ

序論で「ラーメンはなぜ、国民食となったのか?」との問いを立てたとすれば、この場合、「日本人は本来、麺が好きなのである」といった「結論」を書ききます。

次に「なぜなら、世界でもこれほど麺好きな国民はいないからだ」といった「理由」を述べます。

続けて、他国との比較などの「具体例、あるいは根拠」を示して、最後に再び要点を述べて「まとめ」ます。

テーマ「ラーメンはなぜ、国民食となったのか?」

・結論(point)・・・・・・日本人は本来、麺が好きな国民だから

・理由(reason)・・・・・・世界にこれほど麺好きな国民はない

・根拠(evidence)・・・・・・主要国との比較データ

・結論(point)・・・・・・やはり日本人は麺が好きな国民だ。

「PREP法」のフレームを使うと、同じ内容でも、文章が論理的となり、説得力が増します。

なぜなら読み手の気持ちに呼応する構成だからです。

結論を最初に述べることで「なるほど、そういう主張か」と読み手は概要を理解し、理解する準備ができます。

次に読み手は「なぜ、そう主張するのか?」と疑問を抱きますので、すかさず「理由」を書いて、その疑問に答えるのです。

ざっくりした理由だけでは、まだ読み手は納得していないので、続けて「具体例、あるいは根拠」を示すことで、相手に「なるほど」と思ってもらえます。

最後は、冒頭に述べた結論を、より強調しながら「まとめ」、印象付けます。

相手の気持ちを動かしたり、行動を促したりするときに効果的な「PREP法」。

ですからこれはプライベートで、異性をデートに誘うメールを送るときなどにも、強力な武器となるかもしれません。

「今度、一緒にランチに行かない?(結論)」

「とてもピザが美味しい店を見つけたんだ(理由)」

「特にマルゲリータが絶品らしい(具体例)」

「一緒に行ってくれると嬉しいな(まとめ)」

いかがでしょうか、もっとも断られても責任は持てませんが。