放送作家の文章術㉕文章を「書く・読む・直す」習慣を身につける
- 2020.03.24
- 放送作家の文章術
文章が上達していけば、書く作業がどんどん早くなっていきます。では文章を上達させるには、どうすればよいのでしょうか。
昔から文章上達の極意とされているのが「三多(サンタ)の法」です。中国の文学者欧陽修が提唱したもので、「看多(かんた)」、「做多(さた)」、「商量多(しょうりょうた)」の三つです。
「看多」は「多く読む」こと。「做多」は「たくさん書く」こと。「商量多」は「考えて工夫する」ことです。当たり前のことですが、これ以外に文章上達の近道はありません。
まず「看多」。多くの本を読めば自然と文章力がつくことはいうまでもありません。ただ、多読もよいのですが、その中で「こんな文章を自分も書きたい」と思えるものに出会ったら、繰り返し読んで、その特徴を自分のものとしましょう。
「做多」で大切なのは、継続的に書き続けることです。
手本となる文章を読むだけでなく、実際にオリジナルの文章を書いてみる。インプットをアウトプットすることで裏付けて自分の血肉とするのです。
ゴルフの上達本をいくら精読しても実際のラウンドでよいスコアはでません。実際に練習場で体を動かして体得するしかないのと同じです。
今は「ブログ」といったアウトプットツールを誰でも手軽にはじめることができます。始めるならば友達にだけ通じるようなブログではなく不特定多数の読者を想定してオリジナルの文章を綴ってみましょう。半年もすれば文章を書くスピードはかなり早くなっているはずです。
始めたブログの文章は昨日より明日、明日よりあさってのほうがよい文章になるようしっかりと自分で検証してみる。それが「商量多」です。
文章を書く。それは苦しみではなく楽しみです。一生付き合える奥の深さがあります。
私もまだまだ道の途中。ともに読んでは書き続け、検証しながら文章を磨いていきましょう。
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